「お局」が嫌いな方への対策を語る
「お局」に悩みのある方への「お局」捕獲方法
みなさん、この漢字「お局」を何と読むのかはご存知ですよね。
そう、これは「おきょく」ではなく、「おつぼね」と読みます。
ちなみに「お局」の意味をネットで調べると、
・職場を仕切る古参の女性社員
・「意地悪」「口うるさい」といった意味が含まれる
・行き後れで独身のイメージが強い
のような、皮肉を込められた言葉としても使われています。
ちなみに言葉の由来は、江戸時代の大奥などで「局(個室)を与えられた女官の“階級”」を指しており、当時は指導的立場ではあったものの悪い意味では使われていなかったそうです。
様々な環境下で発生する「お局」。
なぜこの「お局」は生まれ、そしてどのように対処すれば捕獲できるのか。
今回は「お局」に対する僕個人の見解を語ります。
※”「お局」を捕獲する”の定義ですが、「仕返しをする」「消滅(退職)に追いやる」のようなパワーの必要なものではありません。
あくまでも”共存”をテーマとしたもので、「お局」を徐々に丸くする、最終的には「お局」のストレスから逃れる、という事に対してフォーカスしています。
「お局」は繁殖しない。
まずは皆さんのこれまでのご経験の中で、何人の「お局」と遭遇したでしょうか。
中には「そんな生物とはまだ仕事をした事が無い」という方もおられるかもしれません。
確かに一見、どこにでも生息しているイメージのある「お局」ですが、実はいつでも簡単に遭遇できるとは限りません。
「お局」がしっかりと生息し続けるには、ある条件と環境が必要であると僕は考えます。
いくつか例をあげます。
・創業3年以上の会社
・自分より先輩のパート、社員がいない
・指示が出せる程度の権力が与えられている
・部下たちの賛同を得ながら集中的に口撃できるターゲットが1名以上いる ・・・etc
他にもあるかと思いますが、これらの条件が整っていれば、「お局」は安定して生息し続ける事が可能となります。
そして上記以外で最も大切な条件、それは
他に「お局」がいない
という事。
そう、「お局」は共存が出来ません。
基本的に「お局」どうしでは群れをなさず、すでに他の「お局」の縄張りがあれば、そのシマを荒らすことも無く、むしろそこに新たな「お局」が発生することもほとんどありません。
「お局」には繁殖能力が備わっていないのです。
「お局」の弱点。顔が赤くなりやすい傾向アリ。
次に、「お局」の生態について判明している事を述べたいと思います。
「お局」にはある弱点があります。
それはずばり、“ストレス”です。
ストレスを与えてしまうとパフォーマンスが低下してしまい、顔面が赤く染まる種類の「お局」が一般的とされています。
「お局」は、メンタルが異様に弱いのです。
ストレスの原因となるケースとして、
・激昂した顧客からのクレーム等に当たってしまった時
・絶対的権限のある上司から怒られた時
・理論的な部下からの反発や挑戦的な指摘、態度を受けた時
などがあります。
このような状況になると顔面が赤くなると同時に一時的に存在感が縮小されます。
「お局」は基本的にデリケートです。
あまりに連続してストレスを与えすぎると消滅(退職)するケースも稀ではありません。
「お局」の見分け方
一見「お局」に見えても実はそうではない、間違いやすい種類が存在します。
それは、“単に気が強い人”です。
専門家ではない一般の方だとついつい間違って判別してしまうのですが、これは「お局」とは全く違います。
「お局」と「気が強い人」の違いは、周囲からの信頼度にあります。
「お局」には残念ながら周囲からの信頼はありません。
弱者を遠隔で口撃する上で強制的に後輩を賛同させる傾向がありますが、基本的に信頼は皆無です。
ただ「お局」本人はそれらの後輩を“仲間”と捉えており、自身の存在が“リーダー”であると勘違いしてしまいやすいという事が判明しています。
仲間と思われている方は、安易に縄張りから外れると口撃の対象となってしまいかねないので注意が必要です。
そして「気が強い人」ですが、基本的には賛否があります。
簡単に言うと、
“嫌われやすい、怖がられやすいが、周囲から一目置かれている”という評価が一般的です。
このような方は、頑張る人には正当な評価をしてくれる「良い人」である可能性が高いので間違わないようにしましょう。
「お局」が発生する条件
「お局」が生息し続ける条件については先ほどお伝えしました。
では、「お局」はどのようにして生まれるのでしょうか。
「お局」と仕事をされる方はお気づきかもしれませんが、彼女らには基本的に
“ちょっとは仕事ができる”
という能力が備わっています。
ここが「お局」最大の特徴であり、捕獲が難しいとされる要因なのかもしれません。
一つ断っておきますが、「仕事ができる」と言っても、クリエイティブな発想をもたらすような、次世代に繋がる優れたパフォーマンスは一切備わっていません。
逆に「お局」は新しい事を嫌います。
あくまでも「仕事ができる」定義として、“流れ作業”のようなルーティンワークに特化しています。
「お局」はこのルーティンワークこそが自分の縄張りや権力を守る唯一の武器であり、長年それしかやってこなかった、訓練さえすればある程度誰でもできる程度の仕事のスピードに対して自らの生命を保っているのです。
ではなぜ「お局」に“ちょっとは仕事ができる”能力が備わっているのでしょうか。
「お局」が発生する過程について述べたいと思います。
「お局」はある環境によって、その姿を明確に表します。
その環境についてですが、「お局」が発生する絶対条件の一つとして、
“中途半端な修羅場”
が必要であるとされています。
「お局」は必ずと言っていいほど中途半端な修羅場をくぐっているのです。
「お局」が発する、
「昔はこうだった」
「誰々(退職した人)が居た時はもっと厳しかった」
のような鳴き声からも推測できるように、過去の中途半端な修羅場の思い出を大切にします。
ただし“修羅場”と言っても、それは当時の仕事上の導線が整っておらず、単に会社がグダグダで無駄に忙しかった時期を指すケースがほとんどであるため、安易にその武勇伝を鵜呑みにすることは避けましょう。
とはいえ、「お局」からすれば大切な思い出です。
「それって今は改善されてますよね、昔の話ですよね、当時は皆バカだったんですね」
のような的確な指摘は、「お局」を捕獲するチャンスを逃してしまいかねません。
もし捕獲するのではなく、あくまでも撃退をお考えの方でも、そのような指摘はしっかりとタイミングを見計らい、ここぞという時に投げかけてあげましょう。
「お局」を捕獲するには
いよいよ、「お局」を捕獲するための方法をお伝えします。
方法はいたってシンプルです。
それは
「あなたが知的である事を少しずつ悟らせる」
ただそれだけです。
自分は知的ではないとお考えでしょうか。
あなたが自分の事を知的であると思っているかどうかは特別問題ではありません。
言い方を変えれば、
「お局」でさえなければあなたは「お局」以上には知的である
という事が言えるのです。
そう、
あなたは「お局」ではありません。
それすなわち、「お局」より知的です。
例えばチンパンジーを飼育しているとします。
チンパンジーはバナナの皮を器用に剥いて食べます。
ですがそれを見てあなたは「自分より賢い」とは感じません。
あなたはバナナの皮を剥くだけでなく、包丁でカットし、器に盛り、ヨーグルトとあえて、その上にブルーベリージャムをかけて食べる事までできます。
決して「お局」を“自分より格上”のような勘違いをしてはいけません。
それはあなたご自身が、自らの価値をチンパンジーにまで下げていることになります。
これを理解していただければ、あなたは「お局」より知的で賢い事が判っていただけるかと思います。
くどいようですが、「お局」を捕獲するには、知的である事を少しずつ悟らせることです。
それは特に難しい事ではなく、ある程度の時間はかかりますが、ほんのひと工夫で捕獲ができます。
例えば挨拶がてら
「オツボネさん、今日何か良い事あったんですか?」
のような投げかけをしてみましょう。
「お局」はストレスの無い平常時は基本的にご機嫌です。
(機嫌が悪いように見えても見せかけの場合がほとんどです)
この投げかけにより、「自分の事を見抜かれている」という感情が無意識に芽生えます。
他にも、
「オツボネさんって、こういうところがすごいですよね」
のように褒めてあげましょう。
ただし、ルーティンワークに対してや「お局」自ら自慢してくるような内容ではいけません。
極力誰からも言われた事の無いような誉め言葉を探しましょう。
なんでも構いません。
「デスクがいつもキレイですね」
「時間に正確ですね」
「字が読みやすいですね」
「聞き取りやすい声をしていますね」
この程度で良いのです。
少し慣れてくると、
「小動物みたいですね」
「実は彼氏さんからイイコイイコされたりしません?」
「意外とおっちょこちょいなところもあるんですね」
のように、軽くくすぐってあげるのもいいです。
「お局」は、あなたが考えているよりもシンプルな生き物です。
しっかりとコミュニケーションをとり、かつあなたが飼い主である事を少しずつ悟らせてあげることが出来れば、捕獲は可能です。
それでもやはり「お局」に対してアレルギーのある方、どうか気になさらないでください。
「お局」は例外なく嫌われています。
「お局」には取り巻きが存在する事もありますが、彼女らも「お局」の事を好きではありません。
単に「お局」の金魚のフンに成り下がることで、彼女らも必死に自らの延命措置を施しているのです。
「お局」の金魚のフンについてのお話はいずれさせていただければと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。
なぜか自分の下にはできず、入社した職場にすでに存在している事の多い「お局」。
今回僕が一番お伝えしたかった事は、
あなたは「お局」よりも優れた人間である
という事です。
もし「お局」との関係性が修復できないような状態であり、かつそれがあなたにとっての人生の大きなストレスとなっているのなら、遠慮はいりません、転職しましょう。
そのような「お局」を首輪もつけずに飼育を放棄しているような檻(会社)は、遅かれ早かれ優秀な人材から見捨てられます。
もし年齢やキャリア的に転職が厳しくても、日々のストレスと転職活動の労力を比較して、まずはどちらがしんどいかの判断をしてみましょう。
ただし、一点だけ注意が必要です。
ストレスを受けているのがあなただけでなく、他にも複数の人間が「お局」との共存に困っているとしたら、転職は踏みとどまりましょう、“捕獲”が可能です。
まずは飼い主たちで集まって、捕獲の算段を立てることから始めましょう。
最後にもう一度だけお伝えします。
あなたは「お局」よりも優れています。
「お局」の存在が嫌で毎日がつらい、リラックスして仕事ができない、夢に見る、ご飯が喉を通らない、そんなあなたは相手に気を使える、心の優しい、温かい人間です。
もともとパワーのある猛者は、おそらく「お局」を撃退してしまうことでしょう。
そして、そのままその会社でのし上がっていくか、見切りをつけて転職してしまいます。
でもあなたには「お局」を撃退することはできません。
それは全く悪い事ではありません。
悪いのは「お局」です。
そして、最も悪いのは「お局」の飼育を怠る「会社」です。
そのことだけは、必ず胸にとどめてください。
彼女らの生態はまだまだ謎に包まれた部分がたくさんあります。
今回はそんな「お局」の一部について述べさせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。