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態度の悪い店員とマナーの悪い客をひも解く。その①

みなさんは普段、買い物や外食の際に店員の態度が悪くて嫌な思いをしたことはありませんか?

また、店員として働いていて、嫌な客から陰湿なクレームを受けたり、嫌味を言われたりしたことはありませんか?

世の中には客としてでも店員としてでも、厄介な対応をしてくる人はたくさんいます。
今回はこの「態度の悪い店員」と「マナーの悪い客」という2通りの人種に照準を合わせて、彼らの生態を掘り下げていきたいと思います。

 

※文面をシンプルにするために、彼らについての造語を作成いたしました。
お手数ですがご確認ください。

・態度の悪い店員 ⇒ 愚店員:ヨミ「グテンイン」
・マナーの悪い客 ⇒ 愚客 :ヨミ「グキャク」

本当は店員の方を「スタッ腐」とかにしたかったんですが、念のため検索したらネット用語で既に別の言葉として使われていたのでこちらの無難な単語にしました。


生態調査 ~ 態度の悪い店員(愚店員)編 ~

 まずは実際に体験した事例をあげる。

はじめに、僕が過去に受けた接客の中で、悪い意味で印象に残っている事例をご紹介いたします。

場所は自宅の近所のコンビニです。
お腹が減っていたので何か買って帰ろうと立ち寄りました。
お店には20代半ばくらいの黒髪で大人しそうなお兄さんと、40代後半くらいのちょっと不潔そうなおじさんがレジ側で談笑中。
愚店員あるあるですが、「いらっしゃいませ」はありません。

多少の違和感はあったもののさっさと買い物をすませるつもりだったので、特に気にせずパンやおにぎり数点とお茶を手に取りレジへ。

レジの方ではまだお兄さんとおじさんが会話をしていたのですが、お兄さんはレジの商品を置くスペースに軽く腰掛け僕に背を向けた体勢、おじさんは腕を組みお兄さんと向かい合う形で楽しそうに笑っています。

僕が商品をレジに置いてもお兄さんは背中を向けたままで僕に気が付いておらず、おじさんの方が僕と目が合い、アゴでお兄さんに「客が来たぞ」と促すようなアクションでようやくお兄さんはこちらを振り向きました。
それと同じタイミングでおじさんの方はレジ奥のバックヤード的なところへ移動。

振り向いたお兄さんの表情は、さっきのおじさんとの会話が面白かったからかニヤニヤの笑顔がこびりついたままの状態でした。

そしてやはり「いらっしゃいませ」等の声も無く、無言で商品を手に取りバーコードを「ピッ」、780円かなんかだったんですが、「お会計780円でございます」といった案内の声もありませんでした。

千円札1枚をレジの青いトレイに置き、いつも店員さんに渡しているポイントのつくカードも置いたのですが、そちらのカードには手を触れず、1,000円でお会計を済ましおつりも無言で返却してきました。

青いトレイにポツンと残されたカードの処理について質問すると、「ポイントつけます?」とここでようやく口を開きます。
はいお願いしますと返答すると、お兄さんはそのカードを手に取り、レジのカードを読み込むところに「シャッ」と通し僕にカードを返却。
その際に「ピッ」とかの音が鳴らなかったので、本当にポイントがついたのかを確認するため、そのままレジを離れようとするお兄さんを軽く呼び止めてレシートを催促。
そこで「あっ、レシートいります?」とまた口を開いてくれました。

レシートを確認するとポイントが付いていなかったため理由を尋ねるも、その理由には触れず会計済みの僕が手に下げていた商品を無言で取り上げ、袋から商品を引っ張り出して再度会計を始めます。
おそらくカード処理をするために、改めて会計業務が必要だったんでしょう。
そこでレジの対応が長引いている事を心配してか、おじさんが裏から様子を見に現れます。
おじさんの名札に目をやると、そこには「店長」の文字が。

やはり「ありがとうございました」等の声はありませんでしたが、とりあえず無事にポイントもついたので、僕はそのままコンビニを後にしました。


と言うお話。

いかがでしょうか。
あえて僕の主観を一切含まずに事実だけを述べたのですが、みなさんはどのように感じられたでしょうか。
今からは一旦、愚店員の掘り下げに戻るとして、僕が上記の体験で感じたこととその後に取った行動はまた後ほど述べさせていただきます。

 

なぜ愚店員は発生するのか。

みなさんはそもそも、なぜ愚店員が発生してしまうかについて深く考えたことはありますか?
彼らは何も勤務初日から愚店員であるわけではなく、もし彼らが仮に人見知りだったり、コミュニケーションが苦手だったり、という性格だったとしてもそれは愚店員に成り下がる事と関係はありません。

新築で建てた家で言うと、どんな環境でも住んだ初日から虫が湧いたりなんてしませんよね。
それと同じです。
油汚れとかが蓄積していったり、不衛生な環境を放置したりすることで、徐々に虫が湧きやすい状況ができてしまうわけです。

愚店員の発生理由もそうです。
勤務初日は緊張したり不安があったりで、先輩からの指導に沿って頑張ろうと心がけているはずですが、慣れてきたあたりで余裕が生まれて、そのうち「仕事ができる」=「作業ができる」という大きな勘違いをしてしまうんです。

ここでいう「作業」というのは、働くうえで確実に発生する業務の事です。
例えばコンビニならレジ業務、陳列業務、発注業務とか。
居酒屋なら注文確認、料理提供、調理業務、とか。
これらの作業って、やって当たり前ですよね。
仮にこれらの作業をすごい速度でこなせるようになったとしても、それは正直ある程度なら「誰にでもできる」ことなんです。
一般レベルで健康体な人であれば。


じゃぁ何を「仕事」とするのかというと、僕なりの言い方をすれば「業務改善」なんです。
これをゲームセンターとかに置いてある「モグラたたきゲーム」に例えます。
(「モグラをたたく事」を、「働くうえでのあたりまえな業務」として考えてみます。)

まず初心者の間はモグラをハンマーでピコピコ叩きつつ、捌ききれないモグラについてはやり過ごしてしまいますよね。
それがだんだん上達すると、ハンマーもスムーズに動かせるようになってきて、捌ける数も増えてきます。
上級者になると超高速の技術で満点をとれる人も出てくるかもしれません。

まずはこれが「作業」です。
満点とまではいかなくとも、練習すれば70点くらいはある程度誰にでも取れる。

先ほど「仕事」というのは「業務改善」であると述べました。
ではモグラたたきゲームでいうと、何をすれば「業務改善」になるのか。

例えるなら、
・1本のハンマーじゃ効率が悪いから2本に増やして両手で叩いてみよう
・ハンマーのサイズを大きくして、一撃で5~6体叩けるようにしてみよう
とかが適当だと思います。

もっと言うと、本当にモグラたたきの作業って必要?という観点で考えてみるのも大切です。
「いっそのことモグラが出てこないように電源から切ってしまおうか」というのも一つの改善案だと言えます。
ファミレスのドリンクバーなんかが良い例ではないでしょうか。
「いちいちジュース持っていくの面倒だから客に取りに来てもらおう」という考え、これも業務改善です。
超高速で大量のドリンク注文を1人で捌くより、はるかに効率的ですよね。

ただ、それらを実際に検証してみたら、当然いろんな問題が出てくるもんなんです。
コストがかかるから売上としては逆にマイナスなのではないか、効率は大幅に改善されるが、かえって客からのクレームが増えたりしないか、とかたくさん考えるわけです。
そのうえで結果的に「やっぱりハンマー一本で行こう」てなったとしても、それは決して無駄な事ではありません。
大切なのは、「いろいろ考えて、やってみた結果、今こうしている」というプロセスなんです。

僕の思う「仕事」とは「モグラを叩く事」じゃなくて、「どうやったらもっと効率よくモグラを叩けるだろう」という改善案を考えて、行動に移す事なんです。
例えば何も考えず作業だけをしている人に「なぜハンマーを2本使わないの?」と質問を投げかけると、きっと「1本で叩くよう教わったから」という答えが返って来ることでしょう。

まさに作業者です。代わりなんてごまんといる。


ちょっと愚店員から話がそれたので戻します。

要は愚店員は、「モグラを叩く事が仕事である」という勘違いをしてしまった人種なんです。
業務に慣れたあたりで「モグラを叩けている自分」に満足して、余裕が生まれたら空いた時間を他の店員さんたちとの私語に充てる。
他の店員さんたちも業務中の私語は嫌いじゃないでしょうから、愚店員に付き合う。
そのうちに愚店員は繁殖していき、結果的に「接客の悪い店」ができてしまうというネガティブフローです。
何せ愚店員が新人教育を行うわけですから。

中には当然接客が好きという店員さんもいますし、例えモグラ叩きでも一生懸命取り組んでいる店員さんもいます。
そんな彼らは愚店員とは言いません。
なぜなら、あくまでも客に不快感を与える態度の悪い店員のみを「愚店員」と定義しているからです。

 

愚店員に遭遇してしまったら

例えば外食の際などでもし愚店員と遭遇してしまったら、みなさんはどのように対処しますか?
直接注意をしたり、責任者を呼んでもらったり、企業側に電話やメールを入れたりなど、方法は様々です。
中には何も言わずにぐっと我慢する、なんて人も多いのではないでしょうか。

ここでは、もし愚店員に遭遇してしまった時に僕が行なっている対処法をご紹介します。
全ての皆様に当てはまる有用な方法ではないかと思いますが、少しでも参考にしていただければ嬉しいです。


■愚店員には逆に最高の空間を提供する。

要は
「愚店員からまともな接客を受けたいと思うのであれば、最高の客を演じろ」
という事なんです。

これは何も愚店員に対してだけでなく、僕が何かしらのサービスを受ける際に常に意識している事であり、ある意味では客側としての「答え」に近いんじゃないかとすら考えています。
店員側に対し、「あのお客さんめっちゃ良いヒト」と感じさせることができたら、当然態度も変わりますよね。
彼らも人間です。
心をくすぐってあげればちゃんと反応します。

特別なコミュニケーションを取る必要なんかありません。
例えば料理を提供してくれたら、その店員の目を見て「ありがとう」とニッコリ微笑むだけでOKなんです。

愚店員はそもそも接客態度が悪いわけですよね。
そうなると客も当然その態度の悪さに引っ張られて、店員に対する客としての態度もそれなりのものになってしまいます。
そんなのは当たり前です。

逆に言うと、愚店員的には目の前にいる客の態度は全て良くない風に見えています。
自分のせいだとも気が付かず。
そういった理由から、「ありがとう」と微笑んでくる客は彼らの目には新鮮なものに映るはずです。
もちろん表向きはその微笑みはスル―されます。
でも心の中は違います。
ちょっとくすぐったく、温かく、ほんの少しの罪悪感。
僅かですがそんな感情が生まれているはずです。

その後も何度か愚店員と接触するタイミングがあったら、そのたびに「ありがとう」と言ってあげましょう。
態度では分からなくとも、徐々に打ち解けてくれば雰囲気は確実に変わります。
もし勇気があれば「忙しそうですね・お店大変ですね」とかのねぎらいの言葉をかけてあげるのも良いでしょう。

愚店員が良い気になっていくと、向こうから笑顔を見せてくれるまでに発展することがあります。
そうなれば一旦は攻略完了と考えても問題ありません。


■愚店員に対してやってはいけない事

次に、彼らに対して決してやってはいけない対応をお伝えします。

それは「怒った態度を示す」という事です。

例えば料理提供が遅ければ「さっきから待ってるけどいつになったら持って来んの??」のような事を高圧的な態度で意思表示するなどです。

これはよくやりがちな誤った対応です。
なぜなら、彼らは高圧的な態度をとる人間を即座に見下してしまうからなんです。
「いつになったら持ってくんの??」とやや牙を見せるような態度をとると、愚店員はその瞬間「バカなクレーム客が来たな」と自動的に考えます。

さらに言うと、愚店員はその客の行いをかなりの確率で他店員にネタとして言いふらします。
「あのテーブルの客さぁ、ちょっと出すの遅れたくらいで腹立てちゃってめっちゃキモイんやけど~」みたいな感じです。

先ほど述べた「良い客を演じる」場合は、「すみません、先ほど注文した料理なんですが、もし通ってなかったら通してもらってもいいですか?」と丁寧に伝え、料理提供時には「忙しいのにありがとう」とにっこり微笑む、等が適正な対応です。

 

■オラオラ系もダメ。

続いてオラオラ系、いわゆる「怖い感じの人」だったら愚店員はどうなるか。
同じです。
確実に見下しています。
ただ、愚店員はあざとい性質を持っていますから、その態度は瞬時にスネオのようにお調子者に切り替わります。
彼らは頭の中で「ちょっと良い気にさせといたらコイツらはチョロイ」と考えているのです。
また、オラオラ系の方の中で理論的に物事を進められる人も少なかったりするので、残念ながらそういった怖い人は愚店員にあしらわれてしまうというケースが大半といえます。
要は、「下に見てはいるけどややこしそうだからヨイショしとこう」という優先順位なんです。


■ブチギレ対応も悪くはないが、狙った効果は見込めない。

次に、愚店員に対しブチギレる、という対応について。
ブチギレるという怒りレベルだと、おそらく責任者も同席させることになるかと思います。
これについては悪い選択肢ではありませんが、相手を深く反省させる、という効果はあまり見込めません。
なぜなら、こちらがブチギレている段階で、責任者含め相手側は「やっかいだ」「災難だ」という被害者意識が自然と芽生えるからです。
また、「単に愚店員の態度が悪い」程度でブチギレてしまうと、それこそやっかいな客扱いされてしまう可能性が高まります。
ブチギレる際には、店側から相当ひどい扱いを受け、それをしっかり言葉で説明できる状況である事が望ましいと考えます。

 

良い客を演じるのが難しい場合。

さて、「良い客を演じる」という対処法ですが、実施するのにハードルが高いと感じる人もいるかと思います。
ですが、先ほど述べた通り「怒る」という態度は相手にバカにされかねないという大きなデメリットがありますし、仮にその時に「言ってやった」的なすっきりした気持ちになったとしても、裏でネタにされてると思ったら余計に腹が立ちませんか?
結局のところ、怒ったとしても効果がないどころか逆にバカにされるくらいなら、可能な限りこっちが彼らをあしらうべき、というのが僕の考え方なんです。

そんな事言われてもムカつくもんはムカつくし、態度の悪い店員にとっさにへりくだった対応なんてできない、という方。
どちらかと言えばその感情のほうがナチュラルかもしれません。
僕はちょっとねじ曲がったところがあるから割と平気ですが、無理な人にはそんなの無理です。
ただこれは、「僕の方が心が広い」とかそんなのでは絶対にありません。
僕だって愚店員と仲良くなりたい、だなんて一切思ってないですし、この世から消えて無くなれば良いのになと願っています。
でも、実際に彼らを駆逐するのは不可能なわけですから、だったらせめて「勝利」を実感できる選択を常に取り続けよう、というのが僕の中での優先事項となっています。

ただ、みなさんに僕の攻略法をお伝えしたとはいえ、人はそんな簡単に他人の考え方をトレースできるものではありません。
もちろん僕も含めて。

じゃぁ、誰でもできる愚店員への反撃方法にはどのようなものがあるのか。
それは、先ほど一例としてあげたことでもありますが、もう企業に連絡するほかありません。
「結局それか」という風に感じられたかもしれませんが、その通りです。
結局これしかありません。

だって、腹の立つ店員をどこかで待ち伏せして物理的な攻撃をしかけるとか、SNSの個人アカウントを特定してネット上でダメージを与えるとか、そんな手間はかけられないし、何より逆にこっちが法で裁かれかねません。

だから「企業側に連絡する」しかないんです。
ただ、ムカついた気持ちをそのままぶつけても、「貴重なご意見ありがとうございます」「今後の教育方針として議題にあげさせていただきます」のようなテンプレが返って来るだけで、あまり効果は期待できません。
企業への問い合わせにもちゃんとコツがあります。
なので次に、先ほど後述するとお伝えした「僕がコンビニで受けた接客に対するその後の行動と結果」を交えて、一連の流れをご紹介いたします。

 

例のコンビニでの行動と結果

■ちょっとだけおさらい。

まずは僕のコンビニでの出来事を箇条書きでおさらいします。
・いらっしゃいませ無し。
・店員はレジ内で談笑中。
 ※そのうち一人はカウンターに腰かけて客側には背中を向けた状態。
・商品をカウンターに置いても店員は数秒間気が付かず背を向けたまま。
・気付いたと思ったらニヤついた表情のまま無言で会計が始まる。
・「○○円です」というアナウンス無し。
 ※こっちがお金を出すのを無言で待機している状態。
・お金とポイントカードを出すも、ポイントカードは無視し現金の会計のみ済ませられる。
・カード処理についてお願いすると、レジにカードを通す仕草だけ行い、無言でカードを返却してくる。
・ポイントが付いていないと指摘すると、謝りもせずに一度は袋に入れた商品を引っ張り出し、面倒くさそうに再度会計。
・「ありがとうございました」のアナウンス無し。

上記の内容が、僕の中で印象に残ったコンビニ店員の接客です。
では次に僕がどう感じ、どのような行動をとったのかをご紹介します。


■基本的に良い人を演じる中で、一つ印象に残る行動をとる。

僕は前述のような接客を受けても、基本的に「腹が立つ」という感情は湧いてきません。
どちらかというと、「どうすればコイツを成敗できるだろう」という考えが真っ先に頭をよぎります。
(まぁ腹を立ててるのと同じかもしれませんが・・・)
ただ、そんな時にカッとなってしまっては、目の前のバカに何もできないどころか逆に見下されてしまう可能性があるわけです。
もし僕があの時、その場で怒って注意していたら、後でおっさんと二人で笑い話にされていたことでしょう。
それだともったいないから、極力冷静に、かつ効果が見込める態度・行動は無いかを模索します。

そして僕が例のコンビニで取った行動、それは

「彼らに分かるように彼らの名札を確認し、名前を読み上げる」

というものでした。
落ち着いて、不自然さが出ない程度のにこやかさで。

「少しお名前だけ確認させていただいてよろしいでしょうか。○○さんと○○さん、ですね、分かりました☆」

みたいな感じです。
あんまり笑顔だと異常者に思われるので、自然な雰囲気を心掛けて、相手側からすれば何が起こったのか、何を確認されたのかが瞬時に判断できない、非日常的な、軽いパニックを起こしてあげるような、まぁそんな感じの雰囲気です。

お気付きかとは思いますが、このセリフには「後でお前らに対してクレームを入れるよ」というクレーム予告の意味が込められています。
愚店員側は、「後で名指しでクレームを入れられるかもしれない」という気持ちになったはずです。
その段階である程度彼らへダメージを与えられている、と考えても問題ありません。
彼らは思慮が浅く、気の小さい人種です。
クレーム予告を受けた日はもちろんのこと、うまくいけば数日間、出勤するたびに不安な感情を引きずってくれているかもしれません。

なので、クレーム予告が上手くいったのであれば、その余韻に浸るという意味も込めて、あえて間を空けてみるのも良いかもしれませんね。

 

■企業へのクレームはメールか電話か。実際に入れたクレーム内容をご紹介。

次に僕が実際に企業へ入れたクレームの内容と手順をお伝えしていきます。
その前に、電話かメールだとどちらがより効果的に企業へ思いを伝えることができるか、で迷ったという方はいませんか?
中にはメールしか受け付けていない、という企業もあるでしょうから、その時は選択肢がありません。
が、どちらかを選べる場合は、極力「どちらも」選ぶようにしましょう。

「メールである程度の内容を伝え、最後に電話番号を記載して企業に電話をかけさせる」といった手順です。

これだとうやむやにされるという事態をかなりの確率で避けることができます。
ただ、大きな注意点があります。
それは、クレーム対応をしてくれる人の中にもバカがいる、という事なんです。
なので、先に送るメール文面は相手を思いやった丁寧なものでなければなりません。

要はクレーム担当者に「あぁ、この人には申し訳ない事をしたな」「これは怒って当然だな」「なのに腰が低くてすごく良い人なのかな」と思わせる。
もっと簡単に言うと、担当者を味方に付ける、ということが狙いです。

以下に例文を記載いたします。
もしよろしければお好きな形に加工してご活用ください。
(不要な方は読み飛ばしてください)

■クレームメール(例文)

-------- ココから --------

お世話になります。いつも○○店を利用させていただいております□□と申します。
今回なのですが、いくつか気になった点があったのでご連絡をさせていただきました。

○月○日の○時頃、○○店を利用させていただいた際に、スタッフ様の対応に少し戸惑いを感じてしまいました。
男性の方だったのですが、私が商品をレジに置いても、レジカウンターに背中を向けて腰かけて、もう一人の男性スタッフ様とお話をしておられ、少しの間気が付いてくれませんでした。
お会計の際も無言で、「○○円になります」のような合計金額も伝えていただけず、やや威圧的に感じてしまいました。
お金と一緒に出したカードにポイントを付けてくれなかったため、付けて頂くようお願いをしたのですが、会計済みでもう手遅れだったからか、カードをレジに通すフリだけされ、ごまかされてしまいました。
(大した金額でなくお恥ずかしい限りですが・・・)
ポイント付与の確認でレシートを催促すると、何の声かけも無く私が手に持っていた会計済みの商品を手に取り、袋から商品を引っ張り出して再度お会計をされ、袋に戻してやはり無言で手渡されました。

コンビニ店として、上記のような対応はあまり良くないイメージがあるのですがいかがでしょうか・・・。

私は○○店から近いところに住んでおり、いつも気持ちよくお買い物をさせていただいております。
品揃えや店内の清潔感にも満足しており、私としてはこれからも利用させて頂きたいというのが正直な思いでございます。

最後に誠に勝手なお願いなのですが、もし本メールにご返信をいただけるようでしたら、お電話にてご連絡をいただけませんでしょうか?
例えば何か直接言いたい事がある等、ややこしいお話を聞いて欲しいというものでは一切なく、単に私がメールが苦手である事と、企業様から実際に一言でもお声を聞かせていただけたらすごく安心できるという個人的なわがままでございます。
もちろんお電話での対応は受け付けておられないという事でしたらメールで結構でございます。
貴社の運用方針に従わせていただきますので、どうぞお気になさらないようお願いいたします。

ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

※ご連絡いただける際はこちらまでお願いいたします。
090-1234-5678

□□より


-------- ココまで --------


これは当時の文面そのままではありませんが、なんかこんな感じのメールを送ったはずです。
もし電話はしたくない、という方であれば、最後の折り返しを催促する文面は省略すれば良いと思います。


■返事が来た時に愚店員の名前をチクる。(コンビニ愚店員の末路もついでに記載します。)

電話でもメールでも、返信があればまずは感謝の気持ちを伝えて、「返信ありがとう!これからも応援してます!」というメッセージを込めつつ、「念のためスタッフさんの名前だけご報告しときますね」的なついでな感じでチクりましょう。
ただ、「あいつらムカつくから何とかしてよ!」というニュアンスは込めずに、あくまでも「御社の教育の一環になればと考えて報告させてもらうね」という、「自分としてはもう連絡もらえた段階で気にしてないしどっちでもええねんで」というすでに許してあげているという雰囲気を伝えるようにしましょう。

もし1週間程度待機しても企業からの返事が無かった場合は、「以前メールを送らせていただいた○○ですけど」と電話かメールでこちらから確認を入れましょう。
ただ、丁寧なメール文面に返信もしない企業は相当いい加減な企業といえるので、そこはちょっと強めな口調で追加問合せをしても良いと思います。
ただ、お客様問合せ窓口を設けている最近の企業は、割とちゃんと対応してくれる印象があります。
今はSNSとかで大手企業でも簡単に炎上してしまう時代ですから、ちょっとは顧客対応に対し神経質になっているんでしょう。

とにかく、これでこちら側でできることは終わりです。
ここまでやったら、その後何も変化が起きなくても「やるだけやった」と納得するべきです。

ちなみに、僕を接客してくれた愚店員は2人とも、クレームを入れた1週間後にはお店からいなくなっていました。
もちろんそれは僕が入れたクレームとは一切関係なかったのかもしれませんし、逆に何かの引き金になったのかもしれません。
それを確認する手立てはありませんが、僕はコンビニの件と合わせて過去に2回企業にクレームを入れたことがあり、その2回ともターゲットは1週間くらいでいなくなっています。
もう1件はビルの管理会社でした。

はっきりしたことは言えませんが、「企業へのクレームは上手に入れることができれば効果は期待できる」というのが個人的な感想です。

 

やるだけやったとして、結局何が得られるのか。

ただ、本当にそれだけの労力を使ってまでクレームを入れるべきなのでしょうか?

中には、そこまでせずとも「とりあえずクレームメールを入れただけでスッキリする」という方もいることでしょう。
「とりあえず直接文句を言ってやったから自分としてはそれでOK」とする方もいるはずです。
さらには「腹は立つけど、クレームを入れるのはちょっとかわいそう」という優しい方もいるかもしれません。

先ほど過去に「ビルの管理会社」にもクレームを入れたことがある、とお伝えしました。
その時は、母親がマンションの管理人にひどい対応を受けたことが許せなくて、本気で成敗するためにクレームを入れました。
その管理人はすぐにいなくなったため、母親もきっとスッキリしてくれるだろうと考えていたのですが、母親から出た言葉は「なんか気の毒やねぇ」という相手を気遣うものでした。
あんなに怒ってたのに。

その経験を通じて感じたことなのですが、クレームを入れたって結局得られるものは何もない、という事なんです。
いや、個人的にはスッキリするかもしれませんよ。
かもしれないけど、愚店員たちがそれで心を入れ替える事になんてきっとならない。
愚店員はクレームで異動、または解雇になったとしても、次の日もその次の日も変わらず愚店員です。
たった1本クレームを入れたところで、彼らの価値観に大きな変化をもたらすことはできません。

 

本当のクレームとは何か?

僕は結局、クレームを入れる側の人は心にどこかねじれがある人だと考えています。もちろん僕も含めて。
それは決して悪い事ではありません。単に個人ごとで異なる性質です。
右利きと左利きがいるように、背の高い人低い人がいるように、男と女がいるように、自分では選ぶことができない性質です。

ですが、僕のようなねじれがある性質の人は、本来クレームを入れるべきではないのだと思います。
なぜなら、自分の感情を優先してクレームを入れるため、誰にも感謝をされないからです。

逆に心にねじれの無い人だったら、滅多にクレームを入れることは無い代わりに、「本当にひどいな」と感じてクレームを入れる際は「切実さ」という汚れない武器が備わります。
心がねじれているとどれだけ頑張ってもその切実さを手に入れることはできません。

では「本当のクレーム」とはいったい何なのか。
僕が個人的に思う本当のクレーム、それは、「見返りの無い訴え」であると考えています。
怒りとか欲とかの無い、純粋な訴えです。

理屈で相手を追い込むのではなく、単に「こんなことがあって悲しかった」という訴えです。
それはもちろんバカな企業には通用しません。
むしろほとんどの企業、愚店員の心には響かないでしょう。

でも、それで良いんです。分かる人には分かります。
言い換えれば、「世の中に溢れるクレームのほとんどはさほど意味をなしていない」という事です。
分かる人なんてほんの一部なわけですから。

 

結論。愚店員を相手にしてはいけない。

これは単に「気にするな」という事を言いたいわけではありません。
「バカで愚かな人間と同じ土俵に入るのはナンセンスだ」という事が言いたいんです。

確かに彼らと同じ空間にいるとひどく不快な気持ちになります。
かといってそんな彼らに制裁を与えても誰の得にもなりません。
仮にお店から排除することに成功したとしても、彼らはこの世からいなくなるわけでも、どこかに隔離されるわけでもありません。
自分の見える範囲からいなくなるだけです。
今日もどこかで変わらず愚店員として生きていて、そこに訪れるお客さんに不快な気持ちを与え続けています。

言い方を変えれば、自分の近くからいなくなった代わりに、誰か他の人が被害を被っている、という事です。
ババ抜きのジョーカーが隣の人に移っただけ。
根本的な解決にはなりません。

だったらせめて、自分と、自分の周りにいる人に不快な空間を極力与えないために、自分が消臭剤の役割になれるのであればその役を買う。
それが僕にとっての、「良い客を演じる」という選択の意味です。

これは決して偽善ぶってるわけではありません。
偽善どころか、クレームの入れ方ひとつに本気で頭を使うひねくれた性格なわけですから、僕は俗に言う「良い人」ではありません。
単に「泣き寝入り」を好まないだけです。

その一環で、他にも一つ心がけていることがあります。
それは、ひどい接客を受けたことを「笑い話に変換する」というものです。

もちろん芸人さんみたいに上手に話ができるわけではありませんし、笑いを誘うというのはとてもとても難しいことです。
でも、ただ単に誰かに相談しただけだと「それはひどいなぁ」という共感を得られるだけで、僕はトクを感じません。

せっかくあまり出くわすことの無い経験をしたんだから、何とかポジティブな話に変換できたほうが清々しい気持ちになれると思いませんか?

とはいえ本当に笑いのレベルが高い話にするのは難しいので、単に「ちょっと聞いてよ~こないださ~」みたいな「グチ感」を無くすだけでも全然違うと思います。

 

おわりに

まさかここまで話が長くなるとは思っていなくて、全部読む人なんてほぼいないんじゃないかと思っています。
全部読まれた方、お疲れ様でした。ありがとうございます。

何かと理屈を並べ立てましたが、最終的に愚店員をどのように捌くかはその人次第です。
怒るもよし、クレームを入れるもよし、我慢するもよし。
そして、僕にとってメリットを感じる方法が「良い客を演じる」「笑い話に変換する」というこの2つであり、僕によく合った、理にかなった対処法だと実感しています。

前述の通り、過去に「あまりにひどい」と感じた時はクレームを入れましたが、それも今後は控えると思います。
(例えば「届いた商品が壊れていた」とかは別です。その時はしっかり交換対応をしてもらいましょう。クレームではありません。)

そしてどうかみなさん、愚店員と同じレベルまで下りて会話をするのだけはやめましょう。
あんなバカな人種に見下されるような選択肢は決して選んではなりません。

テレビ番組でたまに見かける心がスカッとするような復讐劇なんて、基本的には起こりえません。
基本的に起こりえないからこそ番組で取り上げられるとても希少なケースであり、そうそう真似なんてできません。

なので、外出先で一人で愚店員に遭遇してしまった場合は自分自身をケアし、お友達や大切な人と愚店員に遭遇してしまった場合は、一緒にいる人たちをしっかりケアしてあげることを優先してください。

現実的で、かつ平和的な解決策を考えることこそが、愚店員を追い詰める唯一の方法なのかもしれません。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

※「生態調査 ~ マナーの悪い客(愚客)編 ~」については、また別記事で更新させていただきます。